韓国ドラマ【二十五、二十一】のレビュー
<前編>

レビュー

「エモい」なんて言葉では足りない。

自分の過去にも思いを巡らせて、ちょっぴり切なくもなり、温かくもなる。青春ロマンスドラマ。「二十五、二十一」のレビュー<前編>です。

あらすじ

IMFに夢を奪われた時代を舞台に、フェンシングに情熱を注ぐ高校生ナ・ヒドと、経済悪化のため父の会社が倒産し裕福な生活を失った青年ペク・イジンが出会い、友情と初恋、そして別れを通して成長していく物語。

レビュー

配信は2022年。
良い!っていう評判は聞きつつも…

①キム・テリの重たい前髪
②フェンシングというちょっと馴染みのない競技
③ハッピーエンドじゃない

という前情報だけが1人歩きして、手をつけずにいましたが、やっぱり多くの人がいいというものは良い!!!!!
久しぶりに☆5つの作品でした。

一言でいうと「エモい」なんだけど、それじゃ足らなくて、「金でできた”エモい”という金塊を海に沈めるくらいエモい。」
……自分でも何を言っているのか分かりません。笑

自分の青春時代を重ね、あんなこともあったな、嬉しかったな、辛かったな、それでも今思えば、全て大切な出来事だったと感じさせてくれるような作品。

あの頃のあの人は元気にしてるかな?とふと思いを寄せました。笑

ポケベル、ガラケー、有線イヤホン。
スマホがなかった時代に青春時代を送った40代には特に刺さります!
(私も40代だから刺さりまくり!)

このドラマ言いたいことが沢山!
というわけで〈前編:感想〉と〈後編:考察〉に分けてご紹介します。
※ネタバレも含みます。

今回は前編です。

まず、このドラマ、キャラクターが素敵です!

⚫︎ナ・ヒド(キム・テリ)

天真爛漫で、猪突猛進、フェンシングに情熱を傾ける18歳。
自分で自分を鼓舞し、階段を登っていく姿に応援せざるにはいられません。
真っ直ぐすぎる感情がまさに青春の証。

そして演じたキム・テリ!
30代なのに18歳にしか見えない…!!
瑞々しくて。なんてこった…!!!

演技力もすごい。
キム・テリ初めましてだったんだけど、惚れた。

中でも金メダルを奪ったって言われた後に、食堂でおじさんたちに励まされて泣いてた場面はつられて号泣。
夜中に見てるから、次の日は目がパンパン。笑

⚫︎ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)

IMFのせいで父親の会社が倒産し、有名大学も中退。どん底でも擦れずに生きているやさしい22歳。
真っ直ぐで懸命なヒドのようになりたい、恥じないように生きようという真面目さが、時には翼となり輝き、時には錘となりのしかかる姿が、視聴者を魅了してくれます。

⚫︎コ・ユリム(ボナ)

お金のコンプレックスに悩みながらも家族愛に溢れ、フェンシングに励む18歳。
ヒドを敬遠してた時と、チャット友達(ソウルメイト)だと分かった後の態度が真逆!
それでも嫌じゃないのは、間違いを認め、素直だから。

⚫︎ムン・ジウン(チェ・ヒョヌク)

誰よりも自由で前向きな18歳。
勉強もせず、問題児だけれど、ジウンの媚びないストレートな表現が、至る所でドラマに青春の輝きを与えてくれます。

⚫︎チ・スンワン(イ・ジュミョン)

学年一の秀才で、刺激を求めている18歳。
“正直である自分を信じる”というブレない姿がかっこいい!
彼女がいい潤滑剤のような役割でいてくれるんです。

この5人が最高!

ポイントはイジンが5人の中で1人だけ4つ上の先輩ということ。
青春時代の4歳差は大きい。でもイジンも大人にしては幼い。この微妙な年齢差が効いてるの!!!

最初にヒドの母親が言っていた「当時はその中でもイジンは大人に見えた。でも今見ると子どもね」

まだ大人になりきれていないイジンが、「年上」という立場ゆえに、大人でいようとする。
4人の高校生の情熱と感情、そこに1人だけ少し大人の理性が混ざる。
だからこそ、こんなにも切なくエモーショナルなドラマに!!

そしてなんと言ってもヒドとイジンの“こういう愛”の関係。

お互い大事で、尊敬し応援しあう関係から一歩踏み出して“こういう愛”をした2人。
“こういう愛”を始めた2人は勇気があり、青春で、懐かしくて、切なくて、たまらなく愛しいのです。
(「記者と選手」 「高校生と大人」 この立場をわかっていたイジンが挑戦してくれたことが嬉しい!)

私まで、自分の21歳を思い出してしまいました。
(ちなみに私は「二十三、二十一」でした。どうでもいい情報ですが。笑)

“こういう愛”をしてから、もちろん幸せな時間も沢山過ごしたはず。
けれど次第に遠くなっていく心。

「応援しているから近寄れなかった。」

お互いが応援すればするほど遠くなっていく関係が見ていて苦しかった…。
それは環境のせいでもあり、自身のチャプターが青春時代から変わってきたからなのかな。

悲しみや挫折も分けて欲しいヒドと、幸せな経験しかさせたくないイジン。
その自分勝手な思いが、少しずつ距離を広げてしまったよねぇ。
もっと自分勝手な思いを上手に伝え合えたらよかったのかなぁ。

別れの場面では、感情が溢れすぎてしまうヒドに対して冷静なイジン。
見てられない…涙
(私もそうだったわ…(知らんて))

でもあんな別れ方じゃダメだとなって、最後の最後にバス停で話すところは……号泣〜〜!

個人的には最後のバス停での別れ、「やり直そう」そう言ってほしかった。
きっと誰もが思ったはず。

でも、あの時の2人には、それができなかった。
それぞれ、地位の確立が必要な時期だっただろうし、それを捨ててまで愛に走るのはお互い望んでないだろうしね。

恋愛はタイミング。まさにその通りだなと。

やっぱり4つ上のイジンはヒドより子どもになれなくて、強くあろうとする姿が逞しくも切なかった。

「お互いに苦しむのはやめよう」
最後の言葉はまだ言葉足らずだったけど、それでも正直で真っ直ぐな別れでした。

言葉足らずと書いたのは、私は日記に書いたことを2人とも伝えて欲しかったから〜…。涙
でもそれをしないから、後の日記がグッと響くんだろうし、素直に伝えられないのもリアルで切ない…。

日記で「全身全霊で愛した」と言ったヒドに対してイジンが何も言わずに「バイバイ、ナ・ヒド」とだけ言ったのは、まだ愛していたからなのかな。と勝手に解釈して、ロスを紛らわしています。

ハッピーエンドが全てじゃない。
現実的な別れ方が40代の私に沁みました。

全体を通してOSTも好きだったし、時折息ができなくなるほど長い静寂を入れ込んでくるのもたまらなくよかったです。

青春時代にスポットを当て、フィルターによって美化された思い出を、「私はその錯覚が好きだった」と締めくくるのも素敵!

青春時代がポケベルや携帯電話と被ってる人には、共感や懐かしさでいっぱいになるのでおすすめです。
今、青春時代を過ごしている人は、これを見てどうか真っ直ぐ、悔いなく愛してほしい。
別れも、どうかやさしい別れであってほしい。

そう願うばかりです。

後編〉はこちら

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